着物豆知識

着物の種類④

%e8%89%b2%e7%95%99%e8%a2%96
着物には種類と格があり、シーンに合わせて約束事を守った装いをする必要があります。
また、それが同席する相手への配慮でもあります。

今回は留袖、その中でも黒留袖に次ぐ礼装として着られる色留袖についてです。

色留袖は、結婚式などの慶事の際に着用する礼装ですので、カジュアルなシーンには不向きです。
結婚式で着用する着物は黒留袖・色留袖・訪問着・振袖がありますが、 その中で色留袖を着ることが出来るのは、新郎新婦の知人・友人です。
親族であれば、先週紹介した黒留袖ですね。ですが、若い方であれば色留袖を選ぶことが出来ます。
五つ紋総比翼仕立ての色留袖を選ぶことで、黒留袖と同格の着こなしができます。
色留袖は黒留袖より華やかですから、若い方は色留袖を選ぶ方が多いようですね。

結婚式以外の正式なお祝いの場では色留袖が最も格式が高い礼装です。

色留袖は五つ紋の他、三つ紋、一つ紋があります。紋の数によって格が変わり、格が高すぎても低すぎてもマナーに反しますので、シーンに合わせて選ぶ必要があります。
五つ紋の色留袖は黒留袖と同じ第一礼装扱いですので、結婚式や宮中行事で着用します。
三つ紋の色留袖は五つ紋のものより格下になりますが、準礼装として身内以外の結婚式や祝賀会で着用します。
一つ紋の色留袖はさらに一つ格が下がりカジュアルさが出て、訪問着に近い着こなしになります。

色留袖を着用する際の小物は黒留袖に準じて、金・銀または白を基調としたものを選びましょう。

着物の種類③

%e9%bb%92%e7%95%99%e8%a2%96
着物には種類と格があり、シーンに合わせて約束事を守った装いをする必要があります。
また、それが同席する相手への配慮でもあります。

今回は留袖、その中でも既婚女性の第一礼装である黒留袖についてです。

黒留袖は結婚式で新郎新婦の母、親戚が着用します。
その中でも、背中と両胸と両袖に計五つの家紋が付いた、「五つ紋の黒留袖」は新郎新婦の母親が着用する、礼装のなかでも格の高い着物です。誰よりも格の高い服装をすることが、招待客への「礼儀」となるからです。
結婚式では、新郎新婦の母親同士は「同格の服装」というのが理想ですので、黒留袖を着用する場合は、どちらか一方だけが着用して格の差を出してしまわないように、事前に打ち合わせをし、格を合わせるようにしましょう。

兄弟や姉妹といった身近な人の結婚式に参列する場合でも黒留袖を着用できます。
色留袖でも良いのですが、既婚女性であれば黒留袖は間違いなく第一礼装として着られます。

黒留袖を着用する際の小物としては、礼装用の金銀や白の色合いのものが良いでしょう。
帯は金・銀をベースにした格調の高い袋帯を、二重太鼓に結びます。
帯揚げの色は基本は白で金糸・銀糸のなどが軽く入った物を、帯締めも白で、平組、丸組、丸ぐけ、白地に金や銀を組み合わせたものも良いでしょう。
草履やバッグも、着物とのバランスを見て金か銀で豪華なものを選び、長襦袢も礼装用の白を使います。

華やかな席ですので豪華な服装になりますが、主役の新郎新婦より目立たないようにだけ気をつけて、お楽しみください。

着物の種類②

%e7%b4%8b%e4%bb%98%e3%81%8d
着物には種類と格があり、シーンに合わせて約束事を守った装いをする必要があります。
また、それが同席する相手への配慮でもあります。

今回は、黒紋付についてです。

既婚・未婚を問わず、弔事の際の正式な装いが黒紋付です。
黒の名古屋帯をした姿を喪服姿と言い、黒紋付は今では喪服と呼ばれています。

喪服のイメージが強いため、お葬式以外で着る人はあまりいなくなってしまいましたが、
本来の黒紋付は縁起の悪い物ではありません。
紋が五つ入った黒紋付は最も格式が高い第一礼装で、礼装用の帯を付けて結婚式に着て行くことも出来ます。

とは言え、黒紋付を着る機会はほとんどがお葬式ですので、喪服として着用する際の注意点を挙げておきます。
長襦袢は「白」で地紋や織柄が入っていてもOKです。
半襟も「白の無地」で帯は黒の「名古屋帯」です。
帯締め帯揚げも喪服として着用する場合は「黒」です。お葬式以外のご法事の場合は帯や小物は「グレーなど地味な色」でもかまいません。
バッグや草履といった小物も「黒」が好ましいです。

礼装として着物を着用する際は、マナーを意識してご着用ください。

着物の種類①

%e7%95%99%e8%a2%96
着物には種類と格があり、シーンに合わせて約束事を守った装いをする必要があります。
また、それが同席する相手への配慮でもあります。

今回は、着物にはどのような種類があるのか、それぞれの着物の特徴を簡単に説明致します。

【黒紋付】(くろもんつき)
未婚・既婚を問わず着ることができる、最も格の高い着物。
慶事の際は華やかで格の高い袋帯で、弔事の際は黒の名古屋帯と合わせます。

【留袖】
結婚式など、人生の通過儀礼で着用します。
既婚女性は五つの紋が入った「黒留袖」、未婚女性は「色留袖」を着用します。
色留袖は既婚・未婚を問わず着用できます。

【訪問着】
訪問着は晴れやかな行事に招待された際に着用します。
華やかな絵羽模様が特徴で、既婚・未婚の区別はありません。

【付け下げ】
こちらも華やかな行事で着用しますが、略式礼装にあたるため儀式などの席で着用されることは、あまりありません。パーティーなど席で着用されることが多いのが、この付け下げです。

【訪問着】
訪問着は晴れやかな行事に招待された際に着用します。
華やかな絵羽模様が特徴で、既婚・未婚の区別はありません。

【付け下げ】
こちらも華やかな行事で着用しますが、略式礼装にあたるため儀式などの席で着用されることは、あまりありません。パーティーなど席で着用されることが多いのが、この付け下げです。

【色無地】
色無地は、紋をつければ略礼装、紋が無ければおしゃれ着として着用できます。
紋があれば、訪問着と同格として、明るい色のものは慶事に、暗い色のものは弔事の際に着用出来ます。

【小紋】
おしゃれ着として気軽に楽しめるのが小紋です。
名古屋帯、半幅帯、柄によっては袋帯とも合わせられ、多彩な着こなしを楽しむことが出来ます。
礼装としての着用は出来ません。江戸小紋は格が高いとされています。

【紬】
紬もおしゃれ着として気軽に着用できます。
大島紬など高価なものもあります。
こちらもあくまでも普段着なので、礼装として式事に着ていくことは出来ません。

【浴衣】
浴衣も普段着なので、礼装としては着用できません。
花火大会や盆踊り、縁日で着用されます。
色・柄とも華やかなものが多くなっています。

着物の保管④

%ef%bc%94
今回は「たとう紙」についてです。
たとう紙はもともと、着物のやり取りをする際に、そのまま渡すのではなく、たとう紙に包んで相手に渡すことでプレゼント用のラッピングのように使われてきました。
それが徐々に保管用として使われるようになっていったのは、たとう紙が持つ保管に適した特徴があったからでしょう。

たとう紙は和紙で出来ていますのでズレにくく畳んだ時にも、中で着物がズレてシワになるといった心配がいりません。
そして通気性、吸湿性にも優れていますので、カビの発生や変色なども防いでくれます。
また、日焼け・チリ・ホコリからも着物を守ってくれますので、小物の保管の際には必ずたとう紙に包んで保管して下さい。

着物の保管③

%ef%bc%93
前回までで着物の保管には湿気対策が必須ということがわかって頂けたと思います。
今回は、簡単に出来るちょっとした湿気対策をご紹介します。

まずは新聞紙を使った湿気対策です。新聞紙は水分を吸ってくれるので、箪笥の引き出しに敷いておくことで、湿気対策になります。
加えて新聞紙のインクの匂いは虫が嫌がる匂いなので防虫効果も期待できます。
身近なものを使って経済的に湿気対策が出来るのも、新聞紙の良いところですね。

しかし新聞紙だけでは万全とは言えません。
やはり着物を保管する箪笥には除湿剤を入れておくことをお勧めします。呉服店などでは着物専用の除湿剤も取り扱っています。
箪笥に新聞紙を敷き、除湿剤と防虫剤を入れておくことで安心して着物を保管できますね。
もちろん除湿座と防虫剤は定期的な交換を忘れないように、お気をつけください。

着物の保管②

%ef%bc%92
先週は着物の保管には桐箪笥が適しているというお話をしましたが、桐箪笥は高価なものですし、大きな桐箪笥はマンションの部屋に置けないといったお悩みもあるかと思います。

今回は普通の洋服ダンスでの着物の保管についてのお話です。
注意する点は、換気です!

箪笥の中に湿気を溜め続けないように、晴れて乾燥している日には箪笥を開けておき、中に溜まった湿気を発散させてください。

そして重要なのが「虫干し」です。
カビの発生を防ぐために、乾燥した時期に着物を洋服ダンスから出し、ハンガーなどに吊るし干しします。
虫干しと言ってはいますが、虫よけと言うより、着物の湿気を放出させて乾燥して空気を吸わせるといった意味合いで行います。
年に2回程、時期としては10月〜3月の間に行うのが良いでしょう。
出来るだけ日光に晒さないように、風通しの良い部屋で干してください。

虫干しをするスペースが無く、桐箪笥も無いという方は、仕舞いっぱなしにせず、出来るだけ晴れた日に着物を着てあげてくださいね。

着物の保管① 桐箪笥での保管

%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-1
お着物を保管する際に、まず注意すべき点は湿気です。
湿気はカビや虫がわく原因!着物の大敵です。

そこで昔からよく言われるのが桐箪笥での保管です。
桐は吸湿性に優れ、湿度が高くなると湿気を吸収し、湿度が低くなると吸収した湿気を放出します。
雨の日は桐が湿気を吸収して膨張しますので、タンスが少し開きにくくなります。
湿気を吸って膨張した桐が箪笥の気密性を高め、外気を中に入れないことで箪笥の中の湿度を一定に保ちます。逆に乾燥した日の箪笥はスムーズに開きますよね。
日本は季節によって乾燥と湿潤を繰り返す気候なので、このような桐の特徴が好まれ着物の保管と言えば桐箪笥と言われるわけですね。

更に桐には、「虫がつきにくい」「燃えにくい」といった特徴もありますので、大切な着物の保管には桐箪笥が非常に適しています。

自分でできる着物のお手入れ その2

c79903a6b8215a9c98b1a78e7224a3ef_m
汗や汚れ、シワなどが見つかったら、できるだけ早めに対処することがポイントです。
今回はなぜ着物はお手入れが必要なのかをご紹介します。

普段着るお洋服でも汚れがついたら洗濯し、シワがついたらアイロンなどでのばしますよね。
同じように、着物もお手入れが必要なのですが、着物は洋服以上にデリケートです。

例えば、着物についたお化粧を放っておくと、落としにくくなる恐れがあります。
また、着物の主な素材である「絹」は、湿気や水分を寄せつけやすい特徴があるため、 生地がたるんだり、縮んだり、スレたり、カビが生えたりと様々なトラブルが起きやすいのです。

特にカビについては気を付けましょう。
絹は湿気を吸いやすいだけでなく、加工のときに使用する糊など、原因になるものが多いのです。
お気に入りの着物を長持ちさせるためにも、ぜひ正しいお手入れ方法を覚えて実践しましょう。
次回は「自分でできる着物のお手入れ その3」いよいよ具体的なお手入れ方法についてご紹介します。

今、家の箪笥で眠っている縮緬の着物をお持ちの方はぜひ東京で着物買取を専門にしております 「買取長者」までご相談ください。
出張買取させていただける地域は、東京23区です。

自分でできる着物のお手入れ その1

aa0f0fe8b1f0e7f732b4c63e55b181c0_m
着物は脱いで終わりではなく、脱いだ後のお手入れまでが着物を着るということ。
着物を着た後に自分でできるお手入れ方法をご紹介します。少しの手間をかけるだけで、長く大切な着物を愛用することができますよ。

“着物を脱いだら、まずチェック!”
家に帰ってきて着物を脱いだら、汚れがつきやすい場所を中心に、汗や汚れ、シワがついていないか全体的にチェックしましょう。

・衿(えり)
最も汚れがつきやすいところです。特に首回りを念入りにチェックしてみてください。

・袖口(そでぐち)
両手の袖口は、皮脂や汗がつきやすいところです。特に内袖をチェックしましょう。

・裾(すそ)
砂埃や泥跳ねがつきやすいところです。また、スレがないかもよくチェックしましょう。

・左前身頃(まえみごろ)
食事をした日は、よく食べこぼしがないかチェックしましょう。

・裏地(うらじ)
汗染みがついていることが多いので、よくチェックしておきましょう。


汗をかきやすい、背中や帯の下、脇の下、ひじ、膝などの関節部分も、汗で湿っていないか、染みができていないかをチェックしておきましょう。
次回は「自分でできる着物のお手入れ その2」なぜ着物はお手入れが必要なのかをご紹介します。

今、家の箪笥で眠っている縮緬の着物をお持ちの方はぜひ東京で着物買取を専門にしております 「買取長者」までご相談ください。
出張買取させていただける地域は、東京23区です。

カテゴリー別アーカイブ: 着物豆知識