
着物には種類と格があり、シーンに合わせて約束事を守った装いをする必要があります。
また、それが同席する相手への配慮でもあります。
今回は、黒紋付についてです。
既婚・未婚を問わず、弔事の際の正式な装いが黒紋付です。
黒の名古屋帯をした姿を喪服姿と言い、黒紋付は今では喪服と呼ばれています。
喪服のイメージが強いため、お葬式以外で着る人はあまりいなくなってしまいましたが、
本来の黒紋付は縁起の悪い物ではありません。
紋が五つ入った黒紋付は最も格式が高い第一礼装で、礼装用の帯を付けて結婚式に着て行くことも出来ます。
とは言え、黒紋付を着る機会はほとんどがお葬式ですので、喪服として着用する際の注意点を挙げておきます。
長襦袢は「白」で地紋や織柄が入っていてもOKです。
半襟も「白の無地」で帯は黒の「名古屋帯」です。
帯締め帯揚げも喪服として着用する場合は「黒」です。お葬式以外のご法事の場合は帯や小物は「グレーなど地味な色」でもかまいません。
バッグや草履といった小物も「黒」が好ましいです。
礼装として着物を着用する際は、マナーを意識してご着用ください。